花粉症ライダーにとって地獄の季節がやってきました。
目や鼻のかゆみ、涙や鼻水に悩まされている方も多いと思います。
マスクなしではいられない、しかしフルフェイスのヘルメットをかぶるのは煩わしい。
そして目がウサギのように赤くなり涙が止まらなくなる…
市販の薬はたいてい、眠気をもよおす成分があり、ライディングに不向きなものも多く、ほとほとどうしてよいものやら…
出会いやお花見といった前向きな要素と併せて、人によっては身体につらい症状が現れるこの時期、快適なバイクライフをおくるための花粉症対策グッズをご紹介します。
バイクの花粉症対策 メディカル対処法編
バイクの花粉症対策は、マスクをしても結局は風圧に負けて顔との隙間から容赦なく花粉が侵入し、涙や鼻水をたれ流しながら走ることになりかねません。
マスクも風圧によって視界を遮ってくるので、場合によっては非常に危険です。
まずは市販薬など、医学的な手段を使って解決できる方法を紹介していきます。
市販の飲み薬で対応
そもそもこの花粉症という症状は、空気中を飛散するスギ花粉が鼻粘膜の鍵穴に入り込んで過剰な防御反応を引き起こすことをいいます。
市販の飲み薬はこの鍵穴に抗体を入り込ませて、花粉が鼻粘膜と結びつくのを防いだり、神経作用を鈍らせたりすることで症状を抑えるタイプが一般的です。
症状自体はかなり軽減できますが、先述のように副作用として眠気をもよおすものが多く、一般生活は良くても、バイクの運転には差し障りがあるので困ったものです。
眠気を誘発する成分は主に花粉症薬に含まれている「ジフェンヒドラミン」という成分が起こしているものであり、ドライブやツーリングにはもろに支障をきたしてしまいます。
鼻をレーザー手術する
医療関係のサイトを見てみると、レーザーメスを使った手術で「1〜2年の間、花粉症の症状を無くすことができる」という夢のような広告を目にします。
これは鼻の毛細血管をレーザーで焼いて鼻水を出している組織を凝固変化させる手術で、30分ほどの手術で、費用も保険適用で約1万円ということです。
「バイクのパーツ代と考えれば安いかも?」と思われるかもしれません。しかしこの手術の体験者の話によると、副作用が激しいといいます。
手術で凝固させた粘膜組織を身体は異物として取り除こうとするため、粘膜が再生する1~2年の間、巨大なかさぶたが生成され続け、そのかさぶたで鼻づまりなど、不快な症状が出るというのです。
また、粘膜が再生するとまた花粉症の症状が出るため、再生を遅らせるために、結局は花粉症の薬を飲み続けなければならないとか。
粘膜再生後は再手術を受ける必要があるということで、どうやらあまりお勧めできるようなものではないようです。なにより聞いただけでも怖い感じですし。
ステロイド注射
意外とされる方が多いようです。
ほぼ1シーズン乗り切れるほど長く効果が続くものですが、しかしこれにも、糖尿病、消火器潰瘍、骨粗鬆症、無菌性骨壊死、感染症の誘発、中枢性神経障害、高血圧、白内障、緑内障など、内容的に非常に恐ろしい副作用の危険があったのです。
これらは注射によって引き起こされるものなので、普段の予防接種などでも気をつけなければなりません。
1回の注射で一気に副作用が出るものではありませんが、長く頼ることはできません。
バイクの花粉症対策 鼻をガードする対策グッズ
メディカルなものは後からくる副作用が怖いので、薬局で簡単に手に入る花粉対策グッズで症状を抑えられるものをご紹介します。
鼻腔マスク
まずは、バイオインターナショナル株式会社の「ノーズマスクピット」と「ノーズストッパー」。
これは鼻腔に詰めて使うタイプのマスクです。
装着感は思ったほど息苦しさは感じられず、ヘルメットを被るときにずれないのがいいですね。
鼻腔塗り薬
次はフマキラーの「アレルシャット 花粉 鼻でブロック」です。
こうした鼻腔塗り薬はコンビニ等でも気軽に入手でき、鼻に塗るだけで1回4時間の効果があります。
こちらは何かを装着するよりはかなり快適です。ステロイド処方のように、症状を忘れてしまうというほどではありませんので鼻水は少し出てきますが、症状はかなり抑えられます。
特に副作用がないのでおすすめです。
バイクの花粉症対策 目と鼻を完全ガードする対策グッズ
どんなにケアしても、鼻水や涙、目のかゆみを完全に止めることはできません。
目薬に関しても、バイクに乗った状態では、期待するほどの効果を発揮してくれるものはなかなかないようです。それでも症状の軽減のために何もしないよりはマシだといえます。
これからご紹介するのはバイク乗りのために開発された「花粉対策バイク用品」ですので、かなりの効果を期待できるものばかりです。
副作用のない鼻対策には専用マスクが一番
ここまでは薬局で手に入る花粉対策グッズでしたが、バイク専用のマスクとなると「レスプロマスク」です。
まだ肌寒いこの季節の防寒にもなりますし、ちょうど鼻や口はインナー活性炭フィルターに覆われてフィットするようになっているので、しっかり密閉されます。
しかも、密閉されても息苦しくならないように左右にフィルターが取り付けられています。
またフィルターは交換できるため清潔に保つことができます。
価格帯は4000円~7000円ということで、単に「マスク」と考えれば割高ですが、花粉より小さいPM2.5の微粒子もキャッチできるということ。
形状も首から鼻までホールド感があり、一般のマスクのようにずれたり、隙間もできないので大きな効果が期待できます。
目の症状を抑えるスマートなサングラス
花粉は鼻だけでなく目にも症状を引き起こします。
薬局で手に入るゴーグルもありますが、たいてい大きすぎてヘルメットと併用しては使えません。
東京、台東区の眼鏡店「eau de vie(オードビー)」は、さまざまなスポーツの専用サングラスをラインアップしており、特にバイク・自転車の花粉対策グラスが豊富です。
eau de vie(オードビー) 度付スポーツサングラス オートバイ用
他社のサングラスでも、ツルの角度や長さなど、ヘルメットに合わせる加工も行ってくれます。
パリダカールラリーで日本人初の完走を成し遂げた三橋淳選手も、こちらのグラスを愛用しています。
おすすめしたいのは、このお店オリジナルのライダースグラスです。
しっかりと目をホールドできる形状でありながら、フルフェイスヘルメットにも干渉しない様、コンパクトに作られています。
素材は、弾丸をもはじく米軍開発の強力なレンズで耐久性もバッチリ。
しかも偏光グラスで紫外線から目を守る機能性があり、デザインも素敵です。
価格は性能相応
価格は約2万円。サングラスとしては標準的な価格だと思いますが、この季節に必要な機能を考えればお買い得だといえますね。
さらに、同社は「サングラス用ワンタッチゴーグルキット」も取り扱っています。
これはサングラスの淵の裏に両面テープでスポンジを貼るもので、サングラスをゴーグルのようにして、風の巻き込みなどを防ぐようにするパーツです。
他社グラスにも応用が可能で、価格も1500円ととてもリーズナブルです。
花粉対策が施されたライダースグラスに組み込めば、フィット感が増し、かなりの症状軽減が期待できます。
まとめ
ステロイド注射やレーザー手術は、医学的な施術のため、花粉症の症状を抑えることに関しては決定的な効果をもたらしてくれます。
しかし、これらは副作用等のリスクを考えると、決して完璧な解決方法だとはいえません。
リスクが低く、また症状を可能な限り軽減する道を探るとすれば、マスクやサングラスを併用して使うことが望ましいです。
いずれにしても自身の身体との相性や症状の度合いによって、一番効果的な組み合わせを試してみるのが良いかと思います。